『最高の体調~進化医学のアプローチで過去最高のコンディションを実現する方法~』はメンタリストDaiGoさんのニコ動でも度々名前が出てくる論文のリサーチ協力者の鈴木裕さんの著作です。ニコ動では鈴木さんよりパレオさんの呼び名で有名です。
パレオさんはDaiGoさんがビビるほどの論文を読み漁っている人で、年間5000本の科学や心理学などさまざまな論文を読んでいる人です。
経歴としては元々出版社に勤務して、その後も独立して科学ライターとしてライター業をされていました。現在はライター、著者、ブロガー、ニコ動のチャンネル開設と幅広く活動されていてるので、もはや実業家ですね。
同世代のアラフォー世代としては見習いたい・・・。
『最高の体調』は進化医学をベースにした現代人が抱える悩みである、「文明病」の原因と対策について解説してくれる本
進化医学?、文明病??と聞いたことがない用語が飛び出しましたが、進化医学とは、
進化論をベースにしながら人間の病気の正体を考えていく学問のことです。ダーウィンが生み出した進化論と最新医学のデータを組み合わせたもので、「ダーウィニアンメディスン」とも呼ばれています。
人類の歴史はおよそ680~700万年くらいずっと狩猟採取で生活してきて、1~2万年くらい前にやっと農耕生活が始まったそうです。なんともスケールの長い話です。
当然、人類の進化は狩猟採取生活に適応した体になっているので、現代人も実は狩猟採集時代に適応して体で今の現代を生きているそうです。
そのため、人間は基本的にローカロリー食の食事スタイルが合っている、たまに獲物を仕留めて肉にありつける喜びを知っているので、現在ではハイカロリーの食事を求めるようになってしまっていると。
つまり、進化の過程で狩猟採集生活に最適化された人類は、現代の豊かな時代を生き抜くように適応できていない。まずはその前提から考えるのが進化医学の考えとだと理解しました。
ぼくたちがマックのハンバーガーをついつい食べて過ぎたり、求めたりするのは我慢する意志が弱いんじゃなくて、そもそも本能的にハイカロリー食を求めるようになってるって話し。マックの誘惑に負けるのは本能的にしょうがないんだぁと、ホッとしますねww。
そして、狩猟採集生活に最適化された人類と現代社会のミスマッチによって引き起こされる問題が『文明病』です。
文明病の要因は『炎症』と『不安』にわけて考えることができるそうです。例えば、炎症はわかりますよね?ひざを擦りむいたら赤く腫れてしまうやつです。炎症は体の防御システムなので異物やウイルスから体を守ってくれているんですよね。
本を読んで知ったんですが、炎症を引き起こす要因の1つに肥満があり、肥満の人は体の中でずっと炎症が起こっていているそうです。
肥満の人は内臓脂肪が必要以上に多いですよね?内臓脂肪って体からすると異物なので体の防御システムが働いちゃって戦おうとするんですね。
戦うと周りの臓器を傷つけてしまい、自覚症状がないまま体が傷ついていき、体の不調につながってしまうんです。肥満って約700万年の人類の歴史の中では現代にしかない病なのでまさに現代病。
肥満以外に鬱、糖尿病も現代人特有の現代病として扱われていて、そんな現代病を解決するためには現代人にミスマッチがあることを理解したうえで解決する必要があるってことを教えてくれます。
そのための文明病の具体的な解決方法を提示してくれるのが本書です。
狩猟採集民族には肥満・鬱・糖尿病はない。文明病を抱える現代人
本書ではたびたび現代の狩猟採集民族と現代人の体調の比較がでてきます。狩猟採集民族は現代人よりも古代の人たちに近い生活スタイルをしているので、狩猟採集民族の生活を分析すれば、文明病の問題原因や解決策がわかるんじゃないかということです。
キタヴァ族が脳卒中や動脈硬化にかかるケースはなく、糖尿病の発生率はおよそ1%ほど(日本の発症率は15%)80代の高齢者が認知症にかかることもなく、癌の割合もほぼゼロに近い状態でした。
実際の研究結果では猟採集民族のほうがめちゃくちゃ健康なことがわかる結果がたくさん出てきているそうです。
ぼくたち現代人は朝にバターコーヒーがいいとか、スムージーがいいとか言っていますが、キタヴァ族はそんなもの飲んでも食べてもないです。それなのに健康なんです。
ある意味、最高の体調の答えなんですけど、人類は狩猟採集時代の生活に適応しているのでキタヴァ族のように快適な生活を諦めて狩猟採取民族のように生活すれば最高の体調になるんじゃねぇ?ってことです。
じゃ、今日からサラリーマン辞めて狩猟採集民族になればいいのかよっ!、とツッコミたくなりますが、とうぜん現実的じゃないですよねww
狩猟採集民の日本人の違いは炎症レベルが大きく違う
狩猟採集民族のほうが健康だと裏付ける研究結果が多数報告されていますが、それはなぜか?
狩猟採集民と日本人の炎症は
狩猟採集民=外傷や感染による短中期的な炎症がメイン。激しい発熱や嘔吐など周囲から見てすぐにわかるような症状が出る。
現代の日本人=体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメイン。誰にでもわかるような症状は表に出ず、少しずつ不調が進行する。
炎症期間が違うのは現代人はカロリーを摂りすぎ、睡眠が少なすぎ、トランス脂肪酸といった新しすぎるモノに対応できていないことが関係しているそうです。
たとえば、カロリーを摂りすぎると余分な贅肉として肥満になります。睡眠が少なすぎると体のダメージを回復できない状態が続きます。トランス脂肪酸は人類が経験していない食物なので体がうまく処理できず炎症になります。
現代人の食事や生活スタイルは長期間の炎症を誘発しやすいようになっちゃているんですね。そこを改善すれば体調はよくなりそうです。
最高の体調に近づくための具体的な実践ガイド
本書には現代人がなるべく狩猟採集民の生活に近づけるための具体的な方法論が載っています。
そもそも現代人が暮らす環境は狩猟採集民と違いすぎるので同じことはできませんが、なるべく近づけて最高の体調を取り戻す工夫や効果的な行動が示されています。
例として、腸内細菌を紹介すると
狩猟採集民の多くは、先進国の住民よりも多種多様な腸内細菌を持っています。たとえばアマゾンのヤノマミ族を調べた調査によれば、彼らは腸内に住み着く細菌の種類はおよそ50種類超。これに対して、一般的な西洋人の腸内には数種類の細菌しか存在しません。
現代人はヨーグルトや発酵食品を食べている印象でした。ぼくもヨーグルトは好きでよく食べます。健康番組やCMでもヨーグルトは腸にいいってよく聞きますよね。
ところが、現代人の腸内細菌の種類は狩猟採集民より激減しているんですね。
腸内細菌は細菌やバクテリアなどの外敵と戦ってくれます。細菌ごとに役割が違うみたいなので、腸内細菌の種類が少ない多様性がない環境だと外敵との戦いで劣勢になり免疫システムがうまく働かないみたいです。
また、よく聞く慢性疲労症候群の人を調べると、腸内細菌の種類が少なく、炎症レベルも高いみたいです。
種類が少なくなった原因はさまざまで、食物繊維を食べなくなった、抗生物質が腸内細菌を殺している、衛生設備整いすぎているなどなど。
ぼくたちがふつうに生活していると全部当てはまりますね。
最高の体調に近づくための具体的な実践ガイドとしては、抗生物質を無闇に使わない、食物繊維を摂る、加工食品を避けるなど具体的なことが載っていました。
とくに食物繊維はサプリ名が載っていますので、試してみようと思います。
抗生物質は病気になった時に飲む必要があります。が、そもそも病気にならないように体調を整えることが大事だなと改めてわかりましたね。
文明病は不安も侮れない
ぼくは本書を読んで炎症に関することに興味が湧きましたが、一方で、不安についても解説されています。
ぼく自身は不安を感じることがないので、ピンときませんでしたが、世の中には不安で悩み苦しんでいる人が増えていることがわかりました。
- 友人が少なくて不安
- 将来のお金が不安
- パートナーとの関係が不安
最近は老後に2000万必要!とか話題になりましたよね。
まとめ
著者のパレオさんは科学論文を読み漁っている人なので、科学的なエビデンスに基づく内容をまとめてくれているので信頼感がありますね。
大体この手の本は有名アスリートや著名人の経験談をまとめた本が多いんですよね。その人の経験談はもちろん参考になりますが、ぼくたち一般ピーポーが同じことをしても効果があるのか疑問が残ることもあるんですよね。
科学的なエビデンスに基づく研究結果や知見からは『多くの人に当てはまる内容』が多いので本書に載っている最高の体調を目指すための実践ガイドはぼくたちが実践しても再現性が高いと思ってます。
まぁ、読むだけじゃなくて、実際に行動しないとダメですけどねww
ちなみに、ぼくが本を読み終わって実践し続けていることは、
- 公園を散歩する
- パソコンの壁紙を自然風景にする
- 食物繊維を摂る
- 野菜をたくさん食べる
- 発酵食品を食べる
公園の散歩や壁紙を自然風景にするのは紹介していませんが『環境』ってキーワードで本に載っています。
全体的に要約すると適度な運動とバランスのよい食事に集約されますww
残業がしんどいけどがんばってる人、毎日何となくダルいけど気合を入れて働いてる人は科学的なエビデンスもしっかり載っている本書を一読してみてはどうでしょうか?
ちなみに…、グーグル先生には健康系の記事は受けが悪いみたいなので、ググってもこの記事は表示されないかもしれません。
でも、おもしろい本なので感想書いてみましたww
ワーワー言うとりますが今日はこのへんで。
超短時間トレーニングのHIITを紹介した記事。
体調管理に運動は欠かせませんね。
筋トレするならスポーツジムに通うより家トレをオススメしている記事。家トレはサクッとできるので忙しい現代人に向いていますよ。
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